「植物を枯らしてしまう」のは、水やりのせいかもしれない
観葉植物を育ててみたいけれど、「どうせ枯らしてしまう」と最初から諦めていませんか?植物が枯れる原因のひとつとして意外と多いのが、水やりのタイミングのずれです。水をあげすぎても、逆に忘れてしまっても、植物にとってはストレスになります。とはいえ、毎日こまめに世話をするのが難しい方も多いはず。そんな方にこそ知ってほしいのが、乾燥に強く、多少の水やり忘れにも動じない観葉植物たちの存在です。もともと乾燥した環境に適応して進化してきた植物は、葉や茎、根に水分を蓄える仕組みを持っているため、水やりの間隔が空いても元気に育ちます。今回は、そんな頼もしい植物を厳選してご紹介します。日本のマンションや賃貸住まいにも馴染みやすいものを中心に取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
サンスベリア(トラノオ)―― 初心者の定番にして、実力派
観葉植物の入門種として長く親しまれているサンスベリアは、その見た目のスタイリッシュさと丈夫さを兼ね備えた、まさに”ズボラ育て”向きの植物です。アフリカ原産のサンスベリアは、乾燥した荒野でも生き抜けるよう、肉厚な葉の中に水分をたっぷりと蓄えることができます。この性質のおかげで、水やりを忘れてしまった日が続いても、すぐに枯れることはほとんどありません。
水やりの目安は、春〜夏の生育期で2週間に1回程度、秋〜冬はさらに控えめにして月に1回ほどで十分とされています。むしろ冬場に水を与えすぎると根腐れを起こしやすいため、乾燥気味に管理するのが長持ちさせるコツです。日当たりは明るい間接光が理想的ですが、やや暗めの場所でも耐えてくれる適応力の高さも魅力のひとつ。空気清浄効果があるとして注目されており、寝室や書斎に置く方も増えています。
ポトス ―― つるを伸ばして、どこでも元気に
ハンギングバスケットや棚の上からつるを垂らすスタイルで人気のポトスも、乾燥に比較的強い観葉植物として知られています。東南アジア原産のポトスは、熱帯雨林の林床に自生しており、雨の少ない時期でも根を張り巡らせて水分を確保する力を持っています。葉が少し柔らかくなってきたり、下向きになってきたりしたら水を欲しがっているサインです。
水やりの目安は、土の表面が乾いてから2〜3日後を目安に、たっぷりと与えるのが基本です。春〜夏は週に1回ほど、冬は10日〜2週間に1回程度で問題ないでしょう。ポトスは日陰にも強く、窓から離れた場所や廊下など、日当たりが確保しにくいマンションの一角にも適しています。剪定した茎を水に挿すと発根するので、増やして別の部屋に飾るのもおすすめです。
ザミオクルカス(ZZプランツ)―― 光も水も最小限でOK
近年インテリア好きの間で人気が急上昇しているザミオクルカス、通称「ZZプランツ」は、乾燥耐性の高さという点で群を抜いた存在です。アフリカ東部原産のこの植物は、地中に球根状の根茎(ライゾーム)を持っており、そこに大量の水分と栄養を蓄えることができます。見た目はつやつやとした濃い緑の葉が印象的で、モダンなインテリアにもよく合います。
水やりの頻度は春〜夏で月に2回程度、秋〜冬は月1回でも十分育つとされています。土が完全に乾いてから数日置いてから水やりをする「乾かし気味管理」が基本スタイルです。耐陰性も高く、直射日光を避けた明るい室内であれば問題なく育ちます。成長はゆっくりですが、その分手間もかからず、数年単位で長く付き合える植物です。忙しくてもグリーンを飾りたい方に、ぜひ一度試してほしい一株です。
アガベ ―― 砂漠の植物を、部屋のアクセントに
鋭くとがった葉が放射状に広がるアガベは、サボテンと並ぶ乾燥の王者とも言える存在です。メキシコを中心とした乾燥地帯に自生しており、葉の内部にゲル状の水分を蓄える仕組みを持っています。最近はインテリアの世界でも注目度が高まっており、無骨な鉢と組み合わせてビンテージ・インダストリアルスタイルのお部屋にも馴染むと人気です。
水やりは春〜夏でも2週間に1回程度で十分で、冬は月1回ほどに抑えます。重要なのは、風通しの良い場所に置き、日光をしっかり当てることです。できれば窓際の明るい場所に置いてあげると、より健康的に育てられます。根腐れを防ぐために水はけの良い土(サボテン・多肉植物用の培養土など)を使うことも大切なポイントとされています。
育て方の共通ポイント ―― 乾燥強い植物に共通する3つのコツ
乾燥に強い植物であっても、いくつか共通して気をつけたいポイントがあります。植物を長く元気に育てるために、以下の3点を意識してみてください。
- 水は「少なめに、でもしっかり」が基本
こまめに少量を与えるよりも、土が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるほうが、根全体に水が届きやすくなります。少量をちょこちょこ与えると、根が表面にしか張らず、かえって乾燥に弱くなることがあります。 - 受け皿に水を溜めないようにする
水やり後に受け皿に水が溜まったままにしておくと、根腐れの原因になります。水やりから30分ほど経ったら、受け皿に溜まった水は捨てるようにしましょう。特に日当たりの少ないマンションの室内では、土が乾きにくいため注意が必要です。 - 季節によって水やり頻度を調整する
植物の多くは冬に成長が緩やかになる「休眠期」に入ります。この時期は水をあまり必要としないため、水やりの頻度を夏の半分以下に減らすのが一般的なセオリーです。「冬は水を控えめに」を意識するだけで、植物の寿命がぐっと延びることがあります。
植物と、もっと気楽に付き合ってみる
「育てるのが難しそう」という先入観を少し手放してみると、植物との暮らしはずっと身近なものになります。今回ご紹介したサンスベリア、ポトス、ザミオクルカス、アガベはいずれも、忙しい毎日の中でも比較的無理なく育てられるとされている植物たちです。完璧な管理を目指さなくても、植物は意外とたくましく育ってくれます。まずは一鉢、気に入ったものを部屋に迎え入れるところから始めてみてはいかがでしょうか。グリーンがある暮らしは、想像以上に日常をやわらかく彩ってくれるはずです。
Photo by little Gabriel on Unsplash